相続税申告の手続きの一般的な流れとして、まず役所(行政サービス等)で取得する戸籍謄本などから法定相続人の確定をします。法定相続人は財産・債務を承継する権利・義務を持つもので、法定相続人の人数によって相続税の基礎控除額が増減する為、法定相続人の人数確定は相続税申告において大切な作業です。
確定する方法は本籍地管轄の役所で取得する戸籍謄本によって行います。被相続人(故人)の出生から死亡までの戸籍謄本と、法定相続人の現在の戸籍謄本を全て取得します。
横浜市に本籍地がある場合には横浜市内の区役所であればどこでも取得する事が可能です。また郵送で請求する事もでき、横浜市郵送請求事務センターに請求書や身分証明、定額小為替(ゆうちょ銀行で購入可)、返信用封筒など所定の書類を一式を送ると、請求者の自宅等まで返送されます。
次に被相続人の遺した財産と債務(借入金など)の確認をします。ご自宅にある財産や債務を示す資料を一つ一つ確認しながら財産・債務を把握します。預貯金や不動産、株式などの有価証券、車両、貸付金、家財など被相続人が所有していたものは相続財産となります。不動産であれば登記識別情報(権利証)や横浜市など不動産を管轄する役所から年に1回送られてくる固定資産税の課税明細を確認する事で所有不動産の所在地の確認などをする事が出来ます。銀行預貯金の通帳の履歴などを確認する事で、家族が把握していない被相続人の財産や債務を発見する事もあります。
財産と債務の確認が終わったらそれを相続税評価します。原則は時価とされており、相続発生日(死亡日)の評価額を算出する必要があります。不動産は国税庁のホームページでも公表されている相続税路線価をもとに計算します。
全ての財産債務の相続税評価が済んだら、相続税額の計算をします。法定相続人のうち誰がどの財産債務を相続するかを記した遺産分割協議書の内容に基づき、税額の計算をします。一般的に多く相続財産を引き継いだ方は、より多くの相続税納税が必要となりますが、被相続人の夫や妻など配偶者は税額の軽減が認められていたり、不動産も所定の条件により小規模宅地等の特例の適用を受ける事が可能となり、場合によっては申告は必要でも相続税額はゼロというケースもあります。
納税が必要な場合には納税資金の準備が必要です。一般的には相続した現金や預貯金、受け取った生命保険金などから納税される方が多いですが、全体の財産の規模と比較して不動産が占める割合が多い方などは、一部相続不動産の売却などが必要になる場合があります。
上記の情報をもとに相続税確定申告書を作成して、被相続人の最後の住所地を管轄する税務署に申告書の提出を行い、納税をする事で相続税申告は完了です。一般的にご自身で相続税申告をする事が難しい方は、税理士に代理代行を依頼します。限られた期間の中でより適正な相続税申告をする為にも相続税申告の知識と経験豊富な税理士に依頼するようにしましょう。